きっと普通じゃないショックな顔してると思う。





嘘でも作り笑顔見せなきゃ……見せなきゃバレちゃう……。





「ねぇ?
雪もさぁ、今度のテニスサークルの合宿一緒に行かない?
絶対楽しいと思うよ。」




「えっ?
でも私、サークル入ってないし…。」





「あぁ、大丈夫!
サークル入ってなくても遊びメインの合宿だから…。
まぁ、親睦がメインって感じだし、2日目の昼に釣りとかして、夜は釣った魚とかを焼いてバーベキューするらしいよ!後、肝試し大会の後に花火やるんだって。
あっ、1日目は合宿の近くでお祭りがあるとかでそれに行くって行ってたっけな♪」





“楽しみぃ~"って話す莉子は本当に幸せそうな顔をしていた――…





「ねぇ…あたしたちの協力してよ!」





そんなの今の私には出来っこない。





もう素直に2人の幸せを喜んでいたあの頃の私じゃないから――…





「ゴメン!
夏休みは、バイトが入ってるんだ。
もしかしたら、もう1人増えるかも知れないし…。」





「もう1人って…?」




「あぁ、うん。
今は、1人なんだけど、その子の紹介で、私に見て欲しいらしくて…。」





「へぇ~。
でも雪の派遣元って、先生とかって指名出来たっけ?」





「うぅ~ん…!?
説明になかったからどうなんだろう?
まぁ、多分それが出来ない場合は、個人的にお願いされそうだけどね!」





何で私なのかは分からないけど…。





「あぁ~!
あたしももうちょっと頭が良かったら、家庭教師とかやるんだけどなぁ~。」





「まぁ、給料は良いけどね。」






そう言うと羨ましそうな莉子の顔を見て笑みが零れる。





そんな雰囲気に合わせてか――…





…――キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン――…






チャイムが2人の会話に割って入ってきた――…