溢れ出てくるモノは私には止められなかった。
「何で雪が泣くんだよ!」
そりゃそうだよね…?
泣きたいのは、涼平くんの方であって――…
「やっぱ雪は、他の女とは違うんだな…。」
「へっ?」
一瞬、何を言ってるのか分からなかった。
素っ頓狂な声が出た。
涼平くんが苦々しい顔をするも、その心意が見えてこなかった。
「はっ?
だってこんな話し俺がしたら、たいていの女は“私が何とかしてあげる"とか“私だけはあなたの特別になれるように頑張るから"とか言うからさぁ。」
それってさぁ………
「女を落とす為の口実?」
「…どうだろうな?」
そう言うとどこか眉間に皺を寄せさっきよりも苦しそうな辛そうな何とも言えない表情に変わった。
「あぁ…私は大丈夫だから安心して。」
彼の顔につられ私も悲しい気分になってしまう。
「はっ?何で?」
ビックリしたような声を出す涼平くんに笑みが浮かぶ。
そんな私からは彼に予想外なプレゼントを送る。
「もう、恋はしないってそう決めたの…。」
あの恋は忘れるって――…
