赤い糸




「チッ!素直じゃねぇ~なぁ~!」





なんて舌打ちをした後、毒を吐いてきた。






素直じゃないのは今に始まったことではない。





可愛くないのも充分承知してる。





そんなことを悶々と考えていると、彼はチラッと横を見た後、溜め息を吐いてきた。





「まぁ、良いけど。」





そんなことを言いながらも前を見て運転する彼に目がいく。





ただ運転しているだけなのに、いつもよりも何だか不思議なくらい何倍も大人の男に見えた。