赤い糸




神さまは意地悪だよ!?





どうして好きな人とだけ結ばれさせてくれないのかな?





どうして片思いなんて作ったのかな?





人を好きになったら皆、両思いになれば良いのに――…





一方通行の恋は辛いだけだよ…。





そう言えば誰かが、言ってたっけ?






片思いをするから両思いになれた時、物凄く幸せに感じるんだって。





相手のことがたまらなく好きになって、ずっと一緒にいたくて、愛おしくて…。





そうなれた時に、恋愛ってやっぱりステキなんだ…って思うって…聞いたことがある。





だけど私はまだそんな経験も、今までの人生、誰かと両思いになったこともないから何とも言えない………。





「はぁ~」





そんな風に深い溜め息が溢れ出てしまった私に鋭い視線が突き刺さってきた。





「人の顔、ガン見しといて溜め息吐くな!
金取るぞ。」





「はっ?
えっっっ!!」











その言葉で涼平くんは私が見ていたことに気づいてたことを知る。








さっ、さり気なくコソッと見てたつもりだったのに……気づかれてたなんて…最悪だ。





恥ずかしさのあまり、顔に熱がまたこもり始めていた。





絶対また顔赤いよ…。




気付かれないようにソッとノートの方にまた目を向けていると――…







突然、私の真向かいから「…クックックッ…」と言う笑いを押し殺したような声が聞こえてきた。