赤い糸




突然のことで不覚にもドキドキしてしまった。





うぅ~!
緊張して、涼平くんのことが見れないよぉ~!




絶対にまだ顔赤いし…。





「先生…早くしないと7時になるよ!」




そう呟くとニヤッと涼平くんは笑っていた。





うぅ~!





仕方なく、さっきまで座ってた席に座り直し、採点の丸付けに集中する。









時計の音とペンの走る音しか聞こえない静まり返った部屋。










下の玄関が“ガチャガチャ"と開いた音が聞こえた――…






涼平くんのお母さんかな?





涼平くんをチラッと見るとキラキラと輝いて見えた。





本当にキレイな顔してるんだな。





伏せられた長い睫毛の奥には大きな目に、パッチリしたキレイな二重目蓋。




整ったキリッとした眉毛に低く甘い声が漏れる口。





華奢に見えて結構、筋肉が付いた体育会系のカラダ。





長い前髪はピンで今は止められているけど、普段は少し長めの髪を無造作にさせて髪を遊ばせてるんだよね。





茶色の髪も似合ってるし………。





本当…母性本能擽る顔だよねぇ~!





絶対、年上キラーだよ!!





あの先生が、放っておけなかったのも分かる気がする。






分かる気が――…









…――あの先生どうするのかな?