涼平くんたちに目を向けてみると異様な雰囲気のまま見つめ合っていた。
そんな雰囲気の中、意を決してスッと立ち上がると瞬時にその視線は私へと移し替えられる――…
「あぁ…。
えっ…と………お取り込み中の所、大変、申し訳ないんですが、私いない方が話し進みそうなので…帰った方が――…」
「はっ?
ふざけんな。
お前、仕事中だろ?
明後日の言ってたの出来たのかよ?」
その言葉は見事に冷たい涼平くんの言葉によって遮られてしまった。
「…明日の放課後話し合いましょう?」
「俺にはもう話すことなんてねぇーし。」
「でも、あたしにはまだあるの…。
あなたと一緒にいられるなら旦那を捨てる覚悟は出来てるの!
それだけあなたに本気なの…。
それは信じて…。
じゃあ…。」
彼女の目には大粒の涙が溜まっていた。
彼女は彼女なりに悩んでいたのだろう。
教師という立場であり、旦那さまがいる立場。
彼女の中で“涼平くん"がドンドンと大きくなっていく。
そんな時に、カラダの関係を持っちゃったのかな?
涼平くん来るもの拒まない性格っぽいから、変に誤解しちゃったとか?
それで気付いたら彼のことを好きになってて、本気になってしまったってことなんだろうか?
何だか切ないよ!
本気なのに結ばれない関係なんて――…
