……―――ピ―ンポ――ン―――……





涼平くんの家のチャイムの音だった――…





今は、涼平くんのお母さんは買い物に出掛けてしまってて家にはいない。





涼平くんの妹の楓ちゃんが帰って来ても良い頃だけど、楓ちゃんではないようだ。





「ちょっと行ってくる。
待ってて。」






それだけ言うと苦笑いをして外に向かう彼の後ろ姿がなんだか痛々しく感じた。











涼平くんが下に降りて玄関を開けた音が窓の外から聞こえてきた。





女の人の声が聞こえて来て、涼平くんと何かを話しているようだ。





集中!
集中!!





私は取り敢えず、採点の続きをしていた時、突然、下から凄い勢いで部屋まで人が走ってくる誰かの気配を感じ、驚いて扉の方へと身を捩って確認していた。