同室の人は、

寝てばかりの人が多い。



でも、

一人だけ違った。



名前は鈴木さん。

六十六歳だった。



鈴木さんは常に廊下を歩き回っているの。

そして喫煙室や、

テレビがある談話室に来ては、

色んな人に話しかける。



それは雑談ではなく、

お金を借りたりもらうため。