「菜乃香ちゃん」
放課後、帰ろうとする私を輝君が呼び止めた
なんだろ?
なにか用かな??
「なに?」
「その、今週末って空いてるかな」
「えーと、午後からなら空いてるよ?」
「あのね、よかったらなんだけど...
一日だけ僕の彼女になって!」
「うん、いいよいいよ!
って、えぇぇぇぇぇ!?!?」
今、この方なんとおっしゃった?
彼女に?私が?
無理無理無理!!
絶対無理!
いや、そりゃうれしいけど...
でも!私には夕矢って彼氏がいるし
それに、なんで私?
なにかの罰ゲーム??
お前楠木に告って来いよ!
的な感じの?
うん、きっとそうだ!
だってそうしたら一日だけっていうのもつじつまがあうし!!
「あ、ごめんなさい。
もっと詳しく言えばよかったね。
実はね、しつこいストーカーがいて.....
彼女と一緒にいるとこでも見たら
あきらめてくれるかな?と思って.....
だから菜乃香ちゃんに彼女のフリをしてほしいんだ」
「そういうことだったんだ!
私でよければ力になるよ!!」
「ほんと!?ありがと」
くぅー!
なんてまぶしい笑顔なの!?
こんな顔されたら意地でも成功させないとね
「あ、でも私なんかでいいの?
もっとかわいい子とかにした方が...」
「菜乃香ちゃんは十分かわいいよ」
輝君、あなたの方が何百倍可愛いから!
でも、そんなこと嘘でも言ってくれて
いいやつじゃないか!
よぉーし、頑張るぞ!!

