料理を食べ終わって、予定していた近くのイルミネーションを見に行った
いろんな電飾をまとった木々が夜の街を照らしている
これもクリスマス限定の夜の街だ
皆無言でイルミネーションの美しさにうっとりしている
まぁ、夕矢は綺麗という感情より寒いという感情の方が上回ってるみたいだけど...
いつもは長く感じる道もあっという間過ぎていき、いつの間にか一周して最初の場所にまた戻ってきた
「さぁ、てと。イルミネーションも満喫したし、解散...かな?」
雅がちょっと寂しそうに言った
「そうね。雅も早く彼氏のとこいかなきゃだし」
「緋那も称磨君と早くラブラブしたいし?」
「っな!ばっかじゃないの!?」
緋那が赤の電飾よりも顔を真っ赤にして怒鳴った
もう、ほんとに可愛いなぁ、緋那は
「じゃ、うちはダーリンとこ行ってくるね♪
バッアーイ」
「じゃ、俺らも帰るわ。行くぞ、緋那」
「.....うん」
称磨君が差し出した手を遠慮がちに握って2人も帰ってしまった
もう、クリスマスも終わっちゃうのか.....
早かったぁー
「ほら、帰るぞ」
「うんっ」
私に差し出された夕矢の手をしっかりと握って、私たちも家に向かって歩き出す
はぐれないようにちょっとだけ強く握る
そうすると夕矢がもっと強い力で握り返してきた
なんか競争心がわいてきて、また夕矢より強く握り返した
そうすると今度はまたもっと強い力で夕矢が握り返してきて.....
それを何度か繰り返してると、なんだかおかしくって思わず吹き出してしまった
「アハハッ!なにやってんだろ」
「こっちの台詞だ。バナノカ」
「バナノカ?なにそれ??」
「バカと菜乃香を足してバナノカ。
分かったか?バナノカ」
「むー、バカじゃないもーん!!」

