「転校生ってわけじゃないけど、
日坂未影改め、楠木菜乃香ですっ！」
先生に頼み込んで
朝のSHRの時間に再自己紹介をさせてもらった
皆が何言ってんだこいつ？
とでも言うように私を見る
うううー、穴があったら入りたい.....
教卓の下に隠れたい........
私が恥ずかしさのあまり
顔を伏せていると、拍手がした
驚いて顔を上げると
雅が一生懸命手を叩いててくれてた
それに続くように夕矢も手を叩き始めた
だんだん手を叩く人は増えていき
最後には皆が拍手してくれた
教室にまるで幸せの音色が
鳴り響いてるみたいだった
皆が本当の私を受け入れてくれたみたいで
うれしくて、うれしくて、涙が出てくる
「あ、ありがと！皆ぁぁぁ！！」
「良かったな、楠木」
「はいっ！！」
先生がトイレットペーパーを
差し出してくれた
トイレットペーパーを受け取って涙を拭う
なんだか、すっごくすっきりした
最初はどうなるんだろって
すっごくすっごく不安だったけど.....
やっぱり、言ってよかった
