「中学ではさ、
もうまさにスポーツ少年だったわけ。
女の告白は全部断って、部活に熱中!
おかげで全国大会行っちゃってんの俺!!
あ、ちなみに陸上なんだ。
でさ、唯一俺が好きになった女がさ、
これまたすっげー普通の奴!
でも、すっげー好きだった。
その女に裏切られちゃってさ、
もうなんか全部どうでもよくなってきて
部活もやめーの、勉強もやめーの
女遊びばっかし始めた。
でもさ、どんなに他の女と寝ても
そいつのこと忘れられないんだよ。
ま、その女のせいで俺はグレちゃったわけ」


称磨君、ただの女たらしだと思ってた...

そっか、そんなことがあったんだ

好きな子に裏切られたんだもん、辛いよね
私だって夕矢に裏切られたら
どうにかなっちゃうと思う


でも、やっぱり女遊びは駄目だよ!


「あ、あたしは.....」


今度は緋那が弱弱しい声でボソッと言う

ほんとに辛いことなのか、
全身が小刻みに震えてる

大丈夫なのかな?
なんだか、顔色も悪いみたいだし.....


「おい、奈月。
なんか顔色悪いぞ?
大丈夫か?無理すんなよ」


隣に居た称磨君も心配に思ったのか、
背中をポンポンたたきながら顔を除き込む


「だ、だい、じょ、ぶ、だからっ!」

「いや、どう見ても大丈夫じゃねーぞ」

「そーだよ、なんか全体的にやばいオーラ
ときはなってるよ!
称磨君、緋那を保健室に連行したまえ!!」

「りょーかいっ!!」


どう見ても大丈夫ではない緋那を
称磨君が引っ張って屋上から出て行った

ほんとに体調が悪かったのか
緋那は以外にもあっさりついていった


「緋那は称磨君が付いてるから大丈夫だよ。
案外しっかりしてるしね、アイツ。
保健室だからちょいと不安な点もあるけど」

「そーだね」


アハハと笑っていると、
チャイムの音が鳴り響いた


「戻りますか」