「うん!
私なりに考えて、答えだしたの」

「で、どうなの?」

「あのね、夕矢もちゃんと聞いてて!
正直恋とか好きとかよく分かんなくて
今でもはっきりとは分かってないの。
でもねでもね、恋って誰も
雅でも緋那でもほんとは分からないの。
だから、分からないのは当たり前で...
でも、一つだけ分かる方法があるの。
それはね、自分の気持ちなの。
私、夕矢が遠くに行っちゃうって知って
とってもとっても嫌だったの。
行っちゃやだって思ったの。
斎城さんがフランスに帰っちゃう
って知った時とは比べ物にならないくらい
すっごく嫌だ!って思ったの。
逆にね、夕矢に好きって言われた時。
戸惑ったけど、うれしかった。
心臓がスーパーボールみたいに
ひょこひょこ跳ねたの。
でね、気づいたの!
この気持ちは全部
夕矢が好きっていう気持ちに繋がってて。
だから、私はとってもとっても
言葉で表せないくらい
夕矢のことが、大好きですっ!!」


菜乃香の目が真直ぐ俺の目を見る

信じられない言葉に何も言葉が出ない


菜乃香が俺のことが好き.....?


「本当.....か?」

「うん、大好きだよ、夕矢」


花のようにふわりと笑う

本当に、菜乃香が俺のことを
    
      好き?



「あんた、今さらりと
ひどいこと言わなかった??
まぁ、いいわ。
答え、分かったのね」


斎城が俺の横を遮って
菜乃香の前に立って小声で何かを言う


「早く行きなさい。
ここから夕矢を連れ出すの。
後のことは私が何とかするから。
できるわね?」

「うん、ありがと斎城さん!」


急に菜乃香が俺の前に立った


「行こっ!!」


真っ赤にした顔でそういった途端
俺の手を引っ張って走り出した