ー紗代ー
「あ、夕矢さん!待ってください!!」
自分でも吐き気がする猫なで声でいう
わざわざ頼み込んで、この学校の立ち入りを制服着用が条件で許してもらい、夕矢に会いに来たのに。
それでもあいつは紗代を無視する
本当ははじめましてなんかじゃない
小さい頃に一度だけあったことがある
ま、あの人は覚えてないんだろうけど.....
でも紗代は夕矢のことを忘れたことなんてない
ずっとずっと、私は......
「ちょっとあんた」
「斎城さんねっ!」
肩まで髪を伸ばしだ美人と
栗色の髪をポニーテイルにしたチビが
紗代を呼び止めた
「なんですか?」
いちよう猫をかぶって答える
ここにはたくさんの生徒がいるしね
「なんですかはこっちの台詞よ。
どーゆう神経してるわけ?
人の彼氏にちょろちょろつきまとって」
「人の彼氏?
なにいってんのあんた。
私はあんなやつ一度も夕矢の彼女と
認めた覚えはないわ!」
「はーい、ストップ!!」
思わず少し素が出てしまった
このちっちゃい子のおかげで助かった
これ以上ぼろを出すわけにはいかない
斎城のなに傷が付くから.....
「それでは、ごきげんよう」
「はい、ストップ!
まだ話しは終わっとらんですよ」
はぁ、ほんっとうざい
なんなわけ!?
「場所、変えましょ」

