ー夕矢ー
正直、麗華が来てくれて助かった
麗華が来てなかったら本気で
婚約させられてたかもしんねぇ
菜乃香はなにがなんだか分かんねぇみたいで
さっきからおどおどしてる
菜乃香にも悪いことしたな.....
「話しがある。
麗華とそこのお嬢さん、そこに座って」
「え！？
は、はいっ！」
菜乃香の体がビクンとはねて
急ぎ足で椅子に座る
すっげぇ緊張してるし！
「で、話しってなによ？」
「夕矢のことだ」
「夕矢はこの未影ちゃんと結婚させます」
「えぇ！！
ま、まって.....むぐぅ」
あわてて反論する菜乃香を
麗華が容赦なく口をふさいで阻止する
「未影ちゃんは、夕矢のこと
好きなのよね、そうよね？」
「え？わ、私は.....」
「好きなのよね？」
「は、はい！
だ、大好きでございますですよ！！」
もう言葉がめちゃくちゃだ...
さっきから麗華の言いなりになってる
「夕矢は？
未影ちゃんのことどう思ってるの？」
「どうって.....」
俺にも言わせる気か！？
「言っちゃいなさいよぉ。
ほらぁ、たった一言でいいのよ？」
「......好きだ」
「よく言った！」
やべぇ、すっげー恥ずい
今、俺ぜってぇ顔真っ赤だ
.....菜乃香は耳まで真っ赤にしてるけど
