「僕は自分で決めた人と結婚します」
「そんなわがままが
通るとでも思ってるのか!?」
「通るわよ!」
急に麗華の声がして
応接間の扉が勢いよく開いた
麗華がヒールの音を響かせながら
優雅に入って来る
「夕矢のわがまま、
私が通して見せるわ」
「麗華までなにを言ってるんだ!」
「なにを言ってるんだは
お父様の方ですわ!
夕矢には恋をさせてあげるべきです」
「麗華は会社の経営よりも
恋愛を優先させろと言うのか!?」
「でしたら、お父様は
彼女と別れろと夕矢におっしゃるの!?」
「彼女!?
なにを言っているんだ。
夕矢には「いますよ、彼女さん」
親父の声を遮って堂々と言い切った
『入って』と麗華が言うと
弱弱しいヒールの音を立てて
今にも転びそうな危なっかしい歩きで
菜乃香が入ってきた
緊張しているのか動きがロボットになってる
その緊張の原因はほとんどが
親父や麗華、斎城一家、この家の雰囲気
によるものだろうが
おそらくもう1つ
菜乃香の格好にあるんだろう
菜乃香はかなり大胆な格好をしていた
ピンクのドレスは体にピッタリで
体のラインがすっげぇ出てるし
胸とか背中の露出はんぱねぇし
はっきし言って目のやり場に困る
それに、いつもの眼鏡もないし
髪型もみつあみから
綺麗なストレートの髪になってた
軽く化粧もされてて
すっげぇ綺麗になってる.....
こんなに変わるなんて
女ってやっぱこえー

