借金とりとおにごっこ!?


ー夕矢ー


麗華に言われたとおり応接間に行くと
そこには親父と知らない奴がいた


人数は3人

手前は少し小太りの眼鏡をかけたおっさん
確か、この人はどこかの社長さんだ

それも相当大手の会社
前に写真で見たことがある

ま、もうちょっと痩せてたけどな


奥にいるのは宝石をじゃらじゃら着けて
優しい微笑を浮かべているおばさん

おそらくこの2人は夫婦なのだろう


その証拠に真ん中には
俺と同じぐらいの女がいた

腰まである茶色の髪を緩やかにカーブさせ
顔の右下に小さくだんごをつくっている

化粧もドレスも気合まんまんって感じだ



この家族は親父となんらかの取引をしにきたってとこだろう


「お父様、今参りました」

「おぉ、やっときたか。
まぁ、ここに座りなさい」


そういって親父は自分の隣を
ちょんちょんと指でつついた

どうやら俺に隣に座れと言ってるらしい


なんか、めんどくせーことになりそうだ

親父が座らせてまで話すこと
っつったらだいたいがめんどくさい話だ


「紹介しよう、これが私の息子の夕矢だ」


俺がしぶしぶ座ると、
親父がまるでお見合いみたいな台詞を言った


「ほら、自己紹介しなさい」


は?
なんでだよ!?

なんで俺が自己紹介なんか......


とは言っても親父の言うことは絶対だ