「菜乃香!?」
「ごめん。
気にしないで」
「気にすんなっつったって、無理だろ!
麗華がなんかしたのか!?」
「違う、違うの。
会長さんは、むしろ助けてくれて」
「なにがあったんだよ。
昼休憩後から、なんか変だぞ」
「わかんないよ。
なんでかわかんないよ」
わかんない
なんでこんなに涙が出るのか?
なんで会長さんと夕矢が呼びすてするのが嫌なのか?
なんでこんなにも胸が苦しくなるのか?
「わかんないよぉ」
「わりぃ。
麗華のせいなら今から電話でもして....」
「電話番号、知ってるんだ......」
「は?
知ってなかったらおかしいだろ?」
知ってなかったらおかしい......?
でも私は知らないよ?
携帯持ってないからだけかもしれないけど
「どこに自分の家の番号
知らない奴がいるんだよ」
「............え??」
あれ?
今、なんていった!?
「だから、自分の家の電話番号なんだから
知ってて当たり前だろ?」
「じ、自分の家って.......
どういうこと!?」
「は?麗華なんもいってねーのかよ。
麗華は俺の姉貴だ」
そー言われてみれば、似てる!
ってそんなことどーでもいいよ!!
「ま、まって!
でも、ファンクラブ会長だよね!?
それになんで呼びすて!?!?」
「あー、麗華極度のブラコンだから.....
呼びすては、姉貴が強制した。
まぁ、あんなだけどいい奴だから。
安心して頼れ」
「そっ........かぁ~」
それを聞いて
何故か、すごくほっとした
一気に体から力が抜けた感じがして
いつの間にか涙も止まっていた

