「ありがとうございました」
ペコリと頭を下げてお礼を言った
「また、いつでも来てください」
先生も、看護婦さんも
すごく、すごく優しい人で..........
こんないい病院で息をひきとったんだな
とおもうと嬉しくなった
あれ?
そーいえば、ここでお母さんは
息を引き取ったんだよね?
だったら、どこに埋めたんだろ?
あと、お母さんの命日っていつ??
「あのっ!!
お母さんは、ここで死んだんですよね?」
「ええ、それが何か?」
「死体は、どこに埋めたんですか?
後、いつですか!?」
「7月の27日、午前11時34分です。
死後は本人の希望で桜の木の根元に
埋めさせていただきました。
場所はここから..........」
「分かります。
場所なら、分かります」
「そーですか。
では、またなにかありましたら
いつでも聞いてください」
「ありがとうございました」
桜の木なんて、あそこしか考えられない
手紙は、そこに行ってから読もう
なんか、それが一番いいような気がする
「夕矢、私、もう一度桜の海に行きたい」
「タクシーで行くか?」
「ううん、歩くよ」
「また迷子になってさまよいたいのか?」
「それは、いや........だけど。
でも、お金すっごくかかるし」
「金のことは気にすんな。
ほら、行くぞ」
「あ、うん!」

