「ねぇ、夕矢」
「ん?」
「なにかあったら、頼ってもいい?」
「頼れ。
その代わり後で倍返し」
「むー。
夕矢のけち」
「じょーだん。
頼れよ、俺にならいくらでも頼れ」
「うん、ありがとう」
なんで突然こんなこといいだしたのかは
自分でもよく分からない
多分、ただすっごく不安で
胃がねじ切れそうで
誰かに頼りたくなったのかもしれない
もう一人の人は、
ただ薬を待ってただけみたいで
すぐに帰っていった
だから案外早く、私達は呼ばれた
「佐々川先生!こちらが例の.......」
「おお、お待ちしてましたよ。
どうぞ、こちらに座って」
「あ、はい」
佐々川先生は50代ぐらいの先生で
すごく優しそうで、眼鏡をかけていた
「確かに、楠木さんにそっくりだ」
そういって懐かしそうに目を細めた
お母さんのこと、思い出してるのかな?
「で、私に聞きたいことは?」
「あ、はい!
えっと、その、母は..........
なんの病気だったんでしょーか.....?」
「話されてなかったんですか!?」
あったっけ?
と、頭を働かしてみたけど
やっぱり聞いた記憶がなかった

