私の変貌ぶりを不思議に思ったのか、
夕矢が私が落とした箱を拾い上げた
箱の中を見た夕矢の顔が険しくなる
頭のいい夕矢のことだから、
その薬が意味することを察したんだと思う
「いくか?」
薬から目を離して、私の目を見る
「うん、いく」
少しだけ目をそらしてから、
夕矢の目を真直ぐ見て言った
掃除は一時終了して、
佐々川病院へと向かった
さっき教えてもらった警察署の電話番号に電話して行き方を教えてもらうと、意外にもそこは結構遠いところで、バスを利用しながら行くことにした
バスから眺める景色は
昔とほとんど変わってなくて、
なんだか昔にタイムスリップでもしたような気分になった
だんだん近づくにつれ、分かってきたこと
佐々川病院は、
お母さんの仕事場に近い所にあるってこと
そして、お母さんが仕事を始めたのは
私がおばあちゃんちに預けられた頃
要するに、お母さんが病気になったのは
お父さんが死んでからのことなんだ
もし、精神的な病気だったら..........
ストレスとかのせいで、
お母さんが死んだんだとしたら..........
私のせいだ

