初姫が目を覚ましたのはお昼頃だった。

慌てて起き上がり部屋を出た。


しかし何処に行ったらいいのか全く分からない。

「なんて広いお屋敷なの・・・。」

うろうろさ迷っていると声がかけられた。

「何やってるのよ。あんた誰?」

振り向くと10歳ほどの少女が険しい表情をして睨みつけていた。

「ここは人間が立ち入っていい場所じゃないわ。」

「あの・・・。」

「何よ?さっさと出ていかないと氷漬けにしちゃうわよ」

「あなたは政行様の式神様ですか?」

恐る恐る聞いてみると驚いたようだった。

「なぜ分かったの?神気は消してたのに。」

彼女は感じたのだ。
少女の力を。
それが彼女が宮に選ばれた理由。

妖や神の力や本性を視る事ができる。

「あの・・・疾風様は・・・もうお勤めに行かれましたか?」

「疾風・・・?あ・・・。」



「あなたもしかして宮・・・様・・・?」

「はい。」