夢を見た。
酷く暗く、恐ろしい夢。

「一体何だったのかしら・・・?」

とある貴族の屋敷。
ここで大切に育てられた姫君は布団の上で首を傾げていた。

考えれば考えるほど分からなくなる。

袋小路に入りかけた思考を一旦引き戻し退屈そうに、打掛を弄んだ。

「まだ朝早いのね、もう一度寝ようかしら?」

早朝の暇さに飽きた少女は布団に潜り込んだ。