「ここからしばらく行くと妖士族の里に着きます。」
牛車から降ろされた初姫は付き人に素っ気なく言われた。

では・・・と言い残して去って行った付き人の背中を見つめながら思った。

宮と言うのはこれほどに孤独なのかしら?


もっと歓迎されると思っていた。
宮の役目は妖士族の子を産むこと。


妖士族がいなければ人々は既に妖怪によって滅ぼされているだろう。