妖士(ようし)

「入れ。」

素っ気ない物言いに目を一瞬閉じたが部屋に入っていった。

礼の姿勢をとり顔を上げずに言葉を発する。

「初子にご用と伺いました。何用にございましょうか?」

丁寧な物腰でしゃべる娘を冷たいまなざしで見つめていたがやがて口を開いた。