幸を伴い水晶の宮を訪れた麗貴妃は神々の御前に膝をついた。

「なぜお応えくださらぬのですか・・・?」

自分の力が足りないからなのか、だから応えてくれないのか。

「どうか・・・お導きください・・・」

ひたすら祈りを捧げる麗貴妃の背中を見つめていた幸はいたましげな表情をしていた。

これほどに祈り、苦しんでいるのに・・・なぜ応えない・・・

微かな怒りをたたえた瞳で神々の像を睨みつけた幸は唇を噛み締めた。

いかなる時も遠くを見つめている四体の像―――実は自分達、式神の姿なのだが――――が憎らしくなった。