像の前に敷布が引かれ、麗貴妃はそのうえに座った。
『いにしえより一族を守りし神達よ。どうかお聞き下さい。あの夢の現すこととは・・・?』

手を合わせ、目を閉じ、神の声を聞こうと、祈る。

『我が一族の姫よ・・・』

麗貴妃ははっと振り向いた。

「幸!!何か言った!?」

幸は正座していたが驚いたように首を振った。

では、きっと応えてくれた・・・

もう一度目を閉じ、意識を集中させる。

『・・・都に危機が迫っている・・・朝廷滅亡の危機が・・・頭首も若頭も、決めねばならぬ・・・』

『決める・・・?なにを?』

『妻を、母を、・・・覚悟を・・・・・・・・・・・・・・・』

「決める・・・」

目を開いた麗貴妃は立ち上がった。

「幸!!政行様と疾風様はどこにいらっしゃるの!?」

幸は一瞬考えを巡らせたが、すぐに答えた。

「翡翠の宮よ?」