梨乃は思わず
笑ってしまった。



となりのsingerは
予想以上に馬鹿だった






「笑った方がかわい〜っ」





にやけながら言うsinger




「あっごめん知ってる」






苦手なタイプかと
思った梨乃も




案外、普通に話せた
すんなり冗談も言えたぐらいに




「うわ!自信過剰女だっ」




「うん。だまれ」



「怖いよー女の癖に」






「優しい女の子なんで。」




「ふ〜ん♪面白い」

そう言ってまた
鼻歌をかましはじめた







ん?あたしこの曲知ってる




梨乃は
そのまま目をつぶって
隣のsingerの鼻歌を
聞いていた。








〜♪〜♪





それは
"DD" というバンドが
歌ってる歌だった。







梨乃は昔から
DDのファンで、
プチライヴなどに
よく行っていたし



CDも今のところ
全部そろっていた。







あんまり有名じゃないのに知ってるんだ…。




すると鼻歌は止まり




「寝てんの?」




singerの声がした






「寝てないよ。」





梨乃は多分自分に
言ってるだろうと思い





目をつぶったまま答えた






「なんで目つぶってんの?」








「あんたの鼻歌聞いてた」






「お前しってんの!? DD。」