「ねぇ、好きなの?」


彼女が俺に近付いて来る。


「え…あ〜…うん好きだけど」


そう答えると彼女はパッと花が咲いたように笑った。


「ホント!?私も好きなんだ!このバンドってマイナー盤だから身近にファンの人っていないんだよね〜」


「あ…はぁ…」


「だから今ファンの人がいてすっごい感動!ねね、いつから好きなの?」


「少し、前から…」



初対面な事にも関わらずベラベラと喋り出した彼女に呆気に取られつつも曖昧に答えた。