「私ずっと弘樹が忘れられなかった…あの日ファミレスで会った時は驚いたけど、神様がくれた最後のチャンスだと思った」
普段の明るいサエからは想像も出来ない表情で話し出し俺は更に動揺した。
「だけど弘樹のあの人を見つめる目がスゴく愛しそうで…あぁ、弘樹はこの人が好きなんだってすぐに分かった」
「サエ…」
「へへっ、でも弘樹の彼女じゃないって聞いて私にも望みがあるって思った。だけど…やっぱ駄目だね…」
そう言うサエの頬にスーと涙が伝う…
「私じゃ変わりにもなれないんだね…」
泣きながら無理に笑うサエに俺の胸はギュウギュウと音を立てて締め付けられる。
