「はぁ〜やっぱ弘樹うまいねぇ〜」


サエが甘えるように俺の肩に寄り掛かる。


「ね、弘樹…キスして」


潤んだ瞳で見上げるサエに俺は優しくキスを落とした。


「ん…」


サエの感じるポイントを攻めるように舌を絡めていく。


「ひろ…んん…」


「可愛いよ…サエ」


何度も何度も貪るように唇を奪う。


今俺の目の前にいるのはサエ…


俺はサエにキスをしている。


なのに…目を開けていても、瞑っていても俺にはたった1人の顔しか思い浮かばない。



俺の頭の中には彩花さんがいる。


サエを彩花さんの身代わりにするなんて最低だと分かっていても、俺の心から彩花さんが消えてくれない。