「兄貴に悪いじゃん…」
ウソだ。
ホントはすっげぇ行きたい。
「修君なら大丈夫だし!ライブの事言ったら゙弘樹と行けっ゙って言われたから」
マジか…?
いいのか兄貴?
「ホントにいいの?」
訝しげに彩花さんの顔を覗き込む。
「ていうか私が弘樹と行きたいんだって」
満面の笑みで信じられないくらい可愛い事を言う彩花さんは一瞬で俺を魅了する。
「修君は全然興味ないし、やっぱ行くならファン同士で行かなきゃ盛り上がんないじゃん♪」
そして一瞬で俺を殺す。
゙俺゙とじゃなくて、同じ゙ファン゙だから行きたい。
しょせんどうあがいたって俺は彩花さんにとってただの弟君でしかない…。