そもそもの始まりは初めてのバイト。

高校生になったわたしは
初めて決まったバイトに
期待を膨らませていた。


友達の紹介で決まった
全国にチェーン店が
立ち並ぶファーストフード店。

人見知りが激しく
どちらかといえば大人しいわたしは期待と同じだけの不安も抱えていた。

そして初めての研修の日。

歯車はゆっくりと回り始めた。



「お、可愛い子がいる!」


従業員ルームに入ってきた、黒髪が全く似合わない
ハーフのような顔をした男の人。


「久保ちゃんの紹介で
篠田ひかるちゃんね。
手出すなよ宇都宮!」

『よろしくお願いしますっ』

「ねえ、彼氏いる?」


マネージャーの青山さんに
どつかれてどこかに消えた
宇都宮さんとやら。

ちゃらくて苦手だ、とは
思いながらもどこか
気になる存在だった。