カナに見えている景色全てにモザイクの雪が降っている。この雪はいつまで降るのだろう。誰にもわからない。
カナは泣いた。泣き続けた。

「行こう、チロル。」
チロルを抱き、カナはどこかに消えた。シャリ、シャリ、シャリ・・・。足音だけが、いつまでも聞こえていた。