シャーペンと君とあたし



「おーい、鈴ちゃーん?」

「ちょっとぉ〜、鈴どぉしたの〜?」


宏人くんと美奈に、顔を覗きこまれて、ぼんやりしていた頭が現実に戻ってくる。



孝太と蒼は、何も言わない。


もしかしたら、2人にはあたしの気持ちなんて、お見通しなのかもしれない。



「ううん。何でもないよっ!

えと、ハタチになって最初にしたいこと。だよね?」


ふるふると首を左右に振って、ムリヤリ笑顔を作る。


したいことか〜


うーん。

なんだろ?特にないんだよね〜





あっ


1つだけ、ピンッと頭に浮かんだ。



「髪っ!髪の毛染め直したいっ!」