シャーペンと君とあたし




意識は戻らないままで─…



百合のおじさんやおばさんは優しい人で
俺を責めようとはしなかった。

拓也も、責めなかった。





ただ、約束した。



『百合ちゃんが目を覚ますまで傍にいよう。』


─…拓也と約束したんだ。




俺は、


その簡単な約束でさえ
果たすことができなかった。



いきなり親の転勤が決まって
引っ越すことになったんだ。


それからお見舞いには行ってない。



行った時に

百合は、もう居なかった。



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