応援団長が大声をあげて応援のスタートを言った。
続いて私達もその声に合わせて、さまざまな振りつけと声を出す。
喉はカラカラ。
体力は限界で、お腹はすいた。
私はもう、早くご飯を食べたいって思っていた。けど、そんな思いを跳ね返すような言葉が私の耳に入った。
「神無月っ!!頑張れっ」
え?今、誰が言ったの?
私は声を出し続け、辺りを見回す。
でも、該当する人はいなくて。
確かに、名前を呼んだ。かんなづきって。
神田だったからって淡い期待をしてしまうが、
あれは神田の声じゃないし、神田の事はもう諦めたから。
誰だかは、わからなかったけど私はその言葉に救われた気がした。
だから、お昼まで頑張れたんだ。
後から聞いた話。
あの時応援の言葉をくれたのが高木だったりする。


