乾いた口から、言葉を絞り出す。


「…ねぇ、血が繋がっていないってどういう事?じゃあ、私は一体誰の子なのよ!?」


声が、体が勝手に震える。


ゆらり、と父の顔が私に向けられた。


「…お前、嘘をついたのか?じゃあ…なんであいつの名前を?」


能面の様に、読み取れない表情をしている父。


「ごめんなさ…い…伯母さんが、電話で誰かと話をしていたのが聞こえて…飯田って人を捜してたみたいで、でもまだ見つかってなくて…伯母さんは弟が帰って来る前に決着をつけたいって言ってたわ…」

「…姉さんが…そうか…」


再びうつむく父。


「ねぇ、もう話して…どうせなら全部。私には聞く義務があるのよ」


「あぁ…そうだな」


父は顔に手をあてながら、深いため息をひとつ、した。