ふふ、いい気味だわ。

この世の絶望みたいな顔をしてるじゃない。

でもね、母さんが受けた苦しみはこんなもんじゃないんだから…。

もっともっと…

苦しめばいい。

自分の中の憎しみの炎が、轟々と燃え広がるを感じる。



「…渡さない」


父が口を開いた。

拳が震えている。


「…例え血が繋がっていなくても、お前は私の愛する娘だ。絶対に渡さんぞ!!」




…え?


今…なんて言った?


血が繋がっていないって…


何、何の話してるのよ…


背筋が凍りついた様に固まり、頭は真っ白になり、息がつまる。

そして、心臓がドクドクと激しく波打つのを感じた。