ドアが閉められ、1人に戻る。

私は、洋輔から手渡された小さな封筒を持ったままでいた。


開ける気になれなかった。

洋輔に関わりたくない気持ちが一番で、徳田の優しさの余韻にも浸っていたかったから。

そして明日からの事を考えての憂鬱と緊張感。

これ以上の煩わしさはごめんだと思った。

私はそっと、封筒を上着のポケットに入れた。