私はこうして、伯母の家から学校に通う事になった。

だけれど、ここに私の部屋はあっても居場所はない。

だからなるべく学校で時間を潰してから帰る事にしていた。

しかしあまり遅く帰れば、皆の夕食の時間に間に合わなくなり迷惑になる。

頃合いを見計らって帰るのは、なかなか難しかった。

今日も夕食の時間ギリギリに帰って来たつもりだったが、まだ準備の最中だった。

そこで私はたまっていた洗濯物をお願いしようと、徳田を探す事にした。

この広い家、どこに徳田がいるのか分からずあちこち歩いていると、ふいに伯母の声が耳に入ったのだった。


…この部屋か。


伯母の声しか聞こえない。

電話でもしているのだろうか?

特段詮索するつもりなど無かったのだが、興奮しているのか声が大きく、自然に耳に入ってしまう。