私の思いをよそに、想像していたよりもずっと早く車は止まった。


「尽きましたよ。咲良さん」

「…はい」


運転手がドアを開けて待っている。

ここまで来たらしょうがない。

心の中で気合いを入れ、車を降りた。


「うわ…」


思わず声が漏れた。

伯母の家が、立派過ぎたので戸惑った。

周りを見てもここは高級住宅街らしく、大きな家が並んでいる。


「行きますよ」


圧倒されながら、長尾に付いて行くしかなかった。