ゴンゴン ゴン



突然の物音で、私は巡り続けた思考から解放された。


我に帰ると視線の先には人の足…。

顔を上げると男の人が傘をさして立っていた。


…傘?


いつの間にかどしゃ降りの雨になっていたのだ。


雨音でよく聞き取れないが、男は電話ボックスのドアを開けるよう言ってるらしい。


私はまだ回転してない頭のまま、言われるがままにドアを開けた。