ダサい。
いつ見てもダサい。

黒ぶち眼鏡、
ひざ下20cmのスカート、
ひっつめたみつあみ、
そしてなにより…
暗い。
鏡の前の自分を見ていつも思う
「私ダサいな」
…って。

それに比べて…

「おはよぉ!!」

「おはよう!」
「れいらちゃん今日もかわいー」
「今日は髪巻いてるんだぁ!ストレートも可愛いけど巻いてても可愛い!!」

「そんなことないよぉ!」

はぁ…
眩しい、うん。
眩しすぎて見れない…
なんで同じ人間なのにこんなにちがうんだろ??

池上れいら
可愛くて
頭も良くて
運動も出来て
性格も良くて
お金持ちで
そのうえモデルさん。
ほんと、こんな完璧な人いるんだね、
んまそんな完璧な人だから男女問わずモテる。

その点ダサすぎる私。
成瀬りこ。

しかもよりによってそんな完璧なお嬢様れいらちゃんと隣の席と言うね…
はぁ・・・
憂鬱。

学校が終わり、いつものように図書館へ。
ほんと私には図書館が似合いすぎて怖いわ・・・

いつかきっとれいらちゃんみたいに
可愛くて
人気者になりたい!

なんて、私がなれるわけないね。
こんなダサい私。
誰も見てくれないよ…
ドンッ
「きゃっ」
「いたぁ・・・」
あーあ
そんなこと考えてボーっとしてたから罰があたったんだ。
「すみません!」
「いや、こちらこそ。けがはない?」
そんな事考えてたから…
「・・・・・」
一瞬呼吸をするのも忘れてしまった。
目の前にいる人が本に出てくるような王子様のようで…
「大丈夫?」