「そんなこと、一番解っているんじゃないですか?上村さん」

一呼吸おいてから、

「2日間での被害者は女性二人でした。この村の若者達は都会に出たがっているそうですね。でも村長の許しが無い限りこの村から出る事はできない。上村さんはその事を利用して被害者を森に呼び出し殺害したのでしょう」

潤は見つめる。

「ちょっと待って下さい。私には彼女達を殺す動機が無い。それに首筋の跡はどう説明するんですか!!?」

上村剛に焦りの色が見える。

「動機は彼女達が都会へ出てクドラクの事を喋ってしまう事を恐れた。そんな言い伝えがあるこの村にマスコミが来て調べでもしたら、殺人犯として捕まってしまう。そうなる前に口封じとしてクドラク・・・吸血鬼に見せかけ殺した。凶器は毒性の牙を持った動物・・・とか」

上村剛は俯き、肩が上下に細かく動いていた。

「ククク・・・ハハハハハ・・・クハハハハ・・・」

突然、上村剛は上を向き声をあげて笑い出した。

「凄い想像力だな。だがな言いがかりもいい加減にしろ!!」

上村剛は潤を睨んだ。