それ以上近づいたら、私は逃げるからね。




逃げるしかない。




ドアに向かおうとすると、手首を捕まれた。




何するのこいつは?




やっぱバカ?




話合いなんて最初から無理な話だったんだ。




たけど伝次郎あんたの思うように、私はならないんだよ。




「離せバカ伝次郎!」




伝次郎がニヤリと笑い、私を床に押し倒した。




こんな事に負けてたまるか!




跨がる伝次郎に思い切り蹴りを入れた。




『何しやがる、痛いじゃねぇか!』




蹴ったんだから痛いに決まってるでしょ。




こいつ本当のバカだ。