もう泣かないで、無理して笑わないでもういいから。



俺は思わずきみを抱き締めていた。




真子さんは俺の腕の中で泣き続けた。




「マサさんってやっぱお兄さんみたい。」




今日から俺はきみの兄になろう。




『泣きたいだけ泣いていいから、


俺真子さんの兄になります。


辛い事苦しいことみな吐き出して下さい。』





「マサさん私はどうしても赤ちゃんが生みたい、


たとえ自分の命と引き換えにしても。


でもみんなは反対するの。

私だけが生きてるなんて嫌だ。」




きみの気持ちは痛いほど分かるけど、




真子さんが死んでしまったら、赤ちゃんも困るのだから、




『真子さんと赤ちゃんが生きる道を考えましょう。』



どちらも失う訳には行かないのですから。