教室に戻らなきゃ

そんな単語を頭に浮かべた途端、体は重くなった

頭ではわかっているのに

体が拒否反応する





教室に戻ったら

あの花はまだ、あるんだろうか?

あの単語が書かれた紙はまだ、あるんだろうか?

嫌なことばかりを思い出した

1歩1歩、ゆっくりと教室に向かい歩いた


今の時間を確認しようと、カバンの中の腕時計を探す

狭く暗い空間に小さな光が見えた

小さな光は点滅していた

明かりを掴もうと、腕時計を探す手をそちらに動かした


………なんで入ってるんだ?

朝、いつものように机の上に置いたはずの携帯電話

僕は学校に持っていかないからあるはずがないのに


疑問に思いつつ手に取りながら

点滅はメール着信を知らせる光だったことに気づく

『新着メール』

また…?