暫くしてチュウは眠りについたのか

規則正しい寝息が聞こえている

僕はまだ眠くなく

何気に家から持ってきてもらった携帯を手にした。

暗闇の中で新着メールのランプが点滅していた


「SORA」からだ。

宛名:SORA
件名:
本文:そういやこないだ言ってたバイトはどうだった?面白かったか??


バイトをした後、SORAに色々話したかったのに何にも出来てなかった。

そう思い出して、僕は返信をした。

暗い室内で

明かりは携帯の画面だけ

小さな画面に向かって

件名:Re;
本文:返事遅くなってゴメン。初めてのバイトは凄く疲れたけど楽しかったよ。SORAの言ったように両親に相談してやったんだ。2日だけだったけど、明日からの冬休みも同じバイトをすることになったんだよ。

たくさん言いたいことがあるけど、全部言うと凄く長くなる文章だから

なるべく短く、と考えながら僕はメールを送信した。


SORAはまだ起きてるのかな

送った後に考えていたら



室内で静かに響くバイブ音

………携帯?

でも、僕の手の中にある携帯じゃない。

チュウの枕元のほうから聞こえる。

こんな夜中に、携帯が鳴るなんて

起こしたほうがいいのかな



モゾモゾと、布団から出るチュウの大きな手

音の鳴るほうに動き、何かを取る。

ゴソゴソ

布団の中で動く音

パチン

プラスチックの重なる音

枕元に戻して

手の中で一部が光るそれは携帯のようだった。

暫くしてまた、規則正しい寝息が聞こえてきた。

チュウはまた、眠りについたようだった。