「あら、お帰り。」

チュウの家に入る前の病院で、チュウの母親に会った。

時間が空いてるのか、裏口の所でマグカップに入ったコーヒーを飲んでいた。

「…こんにちは…」

僕はなるだけさっきの事を悟られないように挨拶をした。

「こんにちは、アツム君」

僕のいきなりの訪問に驚かず、この前のように優しい笑顔で挨拶を交わしてきた。

「あんた、ホントにアツム君が好きなのね。」

感心するようにチュウと僕を交互に見ながら言う。

「ウルセエ。今日からアツム、ココで寝泊りするからな。」

少し不機嫌そうにチュウは言って、僕を引っ張りながら家に入る。

「あらら不機嫌。」

コーヒーを一口飲みながら、チュウの母親はまた病院に戻っていった。